平穏な暮らしをしている。平穏に事業運営をしている。
そんなときに、突然、予想もしていなかった困りごと、悩みごとが起こった場合、さて、あなたはどうしますか?

それが法律的に解決できる困りごと、悩みごとであれば、その内容に応じた専門家に相談をすれば、解決にいたることもあります。

さて、相談するにしても、どのような専門家が存在するのかさえご存じない方、専門家の名称は多少なりとも知っているが、その専門家がどういった事がらに対応してくれるのかまでは知らないという方が、多いのも事実だと思います。

ここでは、そんな困りごと、悩みごとの事がらに応じた専門家の業務の内容をご紹介し、みなさんのお役に立てればと思っています。

ブログでは、考えられる困りごと、悩みごとをご紹介し、具体的にどの専門家に相談すればよいのか、など役に立つ知識をもっていただき,少しでも冷静に落ち着いた行動がとれるような事がらを少しずつではありますが、ご紹介していきたいと考えています。

末永くおつきあいいただければ幸いです。

土地家屋調査士さん

土地家屋調査士さんは、土地や建物の「表示に関する登記手続」を行う専門家です。

表示に関する登記とは、不動産の物理的な現況を公示するための登記をいいます。

たとえば、家を新築したり取り壊した場合、土地を分筆、合筆、地目変更する場合などの不動産の登記に必要な手続きです。

さらに隣地との境界に争いが生じたときに、裁判によらずに、より迅速に解決が図られるよう境界(筆界)特定の制度があり、この申請手続きも行うことができます。

土地家屋調査士さんは不動産の表示の登記を行う専門家

不動産の表示の登記は、登記所(法務局やその出張所)に登録された不動産の場所や広さ・用途などの情報をいいます。

土地を分けたり(分筆)まとめたり(合筆)、建物を建てた場合にはこの表示の登記が義務付けられています。

司法書士さんのところでもご説明しましたが、不動産の登記には、土地家屋調査士さんが行う表示の登記と司法書士さんが行う権利の登記の2種類があります。

不動産を自分の所有物だと公示するための登記や住宅ローンを借りる際にかならず求められる担保(抵当権)の登記は権利の登記に分類され、この権利の登記をするには、表示の登記がしてあることが条件となります。

土地家屋調査士さんが行う測量

土地家屋調査士さんは、不動産の面積や形状、所在や状況などの状態をあらわすための登記である表示の登記をするため、対象となる不動産の調査や測量を行います。

土地であれば、境界杭の位置を確認して面積などを測量したり、境界杭が定まっていないような場合にはこの位置を決めたりするための測量を行います。

なお、境界杭が定まっていないような場合に、新たに境界杭を定める場合には、隣の土地の所有者などとも協議したり確認を取ったりする必要もあります。

これらの交渉も含めて土地家屋調査士さんに依頼されることもありますし、境界標を設置することもあります。

建物であれば、土地との位置関係や階ごとの形状などを測量します。

測量機材を持ち込んでデータ(座標)を取ったり、隣接者と協議したり、境界表を設置したりすることも土地家屋調査士さんの仕事です。

土地家屋調査士さんと測量士さんとの違いは?

土地家屋調査士さんと測量士さんは、よく混同されます。

一般の方からしてみれば、どちらも測量していることに変わりがないため無理もありません。

測量士さんは、測量に関する計画を作製したり、測量を行うのが仕事で、測量の専門家ということができます。

一方で、土地家屋調査士さんは、不動産の表示に関する登記について、必要な土地や建物に関する調査や測量を行うのが主な仕事であり、法律的な見地から登記手続きのための測量を行うという点で測量士さんとは異なっています。

土地家屋調査士さんは、境界がはっきりしない土地の解決手続きを行える

土地の境界についての紛争が増えてきています。

厳密にいうとこのような紛争の直接の解決手段ではないのですが、はっきりしない境界をはっきりさせる手続き(筆界特定)を行うことができるのが土地家屋調査士さんです。

この手続きを「筆界特定制度」というようです。この制度ができる前は、境界をはっきりさせる場合には当事者同士の話し合いか裁判しか手段がありませんでした。

つまり、当事者同士で話がつかなかったり、当事者の一方がどこにいるか分からないような場合には、わざわざ裁判を起こさなければならず、大変な労力と費用がかかるものでした。

それがこの筆界特定制度ができたことによって、裁判を起こさなくても境界をはっきりさせることができるようになったのです。

ただし、筆界特定によって定められた境界で納得できなければ、最終的には裁判で決着せざるを得ないのですが、筆界特定は土地家屋調査士さんや登記官(登記所の登記専門の公務員)が関与して決めるものですので、裁判でも筆界特定で定まった境界になることがほとんどです。

境界争いがある場面でも活躍できるのが土地家屋調査士さんなのです。

不動産に関する法律家としても期待されている

このように不動産の表示の登記や土地の境界紛争にはさまざまな法律知識がなければ対応できません。

特に、民法をメインとした民事法の知識がないと、これらの仕事をきちんと行えないのです。

そのため、不動産の表示の登記や土地の境界に関して、未然にトラブルを防止すべく、それらの法律家としての面も期待されています。

みなさんも、土地をお持ちの場合、隣地との境界紛争などに巻き込まれることもあると思います。

不動産の表示の登記だけではなく、土地家屋調査士さんにお願いしなければならないこともあります。

そんなトラブルに直面したとき、土地家屋調査士さんという存在を思い出してください。