会社の運営

起業が流行っているのでしょうか?

起業に関するセミナーも盛況なのでしょうか?

本日(2018年8月30日)の“半分!青い”では「お一人メーカー」でしたですか?

廃校になった学校を利用したシェアオフィスでの起業者の熱意を訴える場面がありました。

スズメさんもその熱意を受け、「私もお一人メーカーになる」と熱く語っていました。

個人事業で起業するのか?会社を設立して起業するのか?

起業される場合、個人事業で起業するのか、会社を設立して起業するのか、というジレンマが生じます。

複数人でお金を出し合って事業を始めるのならば、そのお金を資本金として、出資者(株主)を役員とする株式会社を設立して起業するという方法もあります。

あなたお一人で事業を始めるというのならば、まずは個人事業で始めるという方法もあります。

事業が順調に伸びた暁には会社にして事業を継続するという方法もあります。

個人事業ならば、法律的には、この手続きを踏まなければ個人事業として認めません、ということはありません。

今からでも、すぐにでも、「私は○○という屋号の個人事業主(社長)です。」といっていただければいいのです。

個人事業で起業した、というけじめとなるものが欲しいということであれば、事業を行う住所を管轄する税務署に「開業届」なる書類を提出して控えに税務署の受付印をもらっておけばよいのです。

会社で起業したいということであれば、会社、この場合は株式会社となると思うのですが、株式会社設立という法律的な手続きが必要となります。

このブログは、会社を設立する手続きについて、知っておいていただきたい主なポイントのご紹介です。

定款のサンプルとして、小規模会社(非公開会社・取締役3名以内、取締役会非設置・監査役非設置)と中規模会社(非公開会社・取締役3名以上、取締役会設置・監査役設置)のものをあげています。参考にしてください。

現在の会社制度

2006(平成18)年5月会社法が施行されました。

会社制度の概略は、

  • 有限会社が廃止された。既存の有限会社は「特例有限会社」として存続する。
  • 資本金の制限がなくなりました。(1円でも設立できます)
  • 定款で株式の譲渡制限をするかどうかで、役員構成などの会社の組織が異なる。

ということができます。

会社設立の第一歩である定款の作成のための決定すべき主な事項

定款(「ていかん」と読みます)とは、会社という組織の基本的なルールのことです。

株式会社を設立するときは、まず会社の定款を作成し公証人の認証を受けることが第一歩となります。

定款のひな形はたくさんあります。しかし、あなたが設立する会社独自に決定する必要のある事項があります。

その事項は、

  • 会社の名前(商号)
  • 本店の所在地
  • 公告をする方法(一般的には、官報に掲載してする)
  • 会社の目的(どんな事業をするのかということです)
  • 発行可能株式総数(慣例で設立時の発行株式の4倍程度の数字)
  • 株券を発行するのかしないのか
  • 設立時に発行する株式の数と一株の金額と株主(発起人)の住所・氏名
  • 資本金の額(設立時に反抗する株式の数×一株の金額)
  • 株式の譲渡制限をするのかしないのか(小規模の会社のほどんどは譲渡制限をするを選択しています)
  • 取締役の人数と取締役となる人の住所・氏名
  • 代表取締役なる人の住所・氏名
  • 取締役会を置くのか置かないのか
  • 監査役を置くのか置かないのか(置くときは、監査役の権限を会計に限定するのかしないのか)
  • 監査役を置くときは、その人の住所・氏名

主な事項は以上のとおりです。

赤い字の項目が、今回、ご紹介するポイントととなります。

株式の譲渡制限による会社の分類

非公開会社、公開会社

この定款で株式の譲渡制限、つまり、株式の譲渡をするときには、たとえば、「総会の承認」や「取締役会の承認」を受けないと譲渡できないという規定を置くことです。

つまり、自由に会社の株式の売買はできないということです。

この株式の譲渡制限の規定のある会社を「非公開会社」といったり、「株式譲渡制限会社」といったりします。

逆に株式の譲渡制限をしない会社のことを「公開会社」と呼んでいます。

自由にその会社株式の売買ができるということです。

小規模の会社や中規模の会社のほどんどは譲渡制限をするを選択しています

上場しているような会社は、株式の譲渡制限はできません。

非公開会社の役員構成

株式の譲渡制限をしている会社、つまり非公開会社は、役員構成を次の中から選択できます。

  • 取締役の人数は1人でもよい。下限は当然のことながら1人です。上限はありません。取締役が1人のときは、その取締役が代表取締役となります。取締役が複数のときは代表取締役を決めることもできます。
  • 取締役会という株主総会に次ぐ決定機関を置いても置かなくてもよい。置くときは取締役の人数は3人以上必要となります。
  • 監査役を置くかどうかは任意です。置かないこともできるわけです。

たとえば、起業したての株主(発起人)が1人の会社であれば、

  • 株式の譲渡制限をし、
  • 取締役の人数は1人とし、
  • 監査役はおかない

という小規模な株式会社として会社組織を設計すればよいと思います。

たとえば、株主(発起人)が少人数であれば、

  • 株式の譲渡制限をし、
  • 取締役の人数は2人~株主の人数を上限として設定し、
  • 代表取締役を取締役の互選とし、
  • 監査役を置かない

という小規模な株式会社として会社組織を設計すればよいと思います。

資本金について

2006(平成18)年5月に施行された会社法では「資本金の制限」がなくなりました。

つまり、極端にいえば、1円でも設立できるのです。

とはいっても、資本金というのは、起業する事業を開始するために必要な資金です。

会社は1円の資本金で設立できたとしても、事業開始に必要な資金はどうするのでしょうか?

ということで、資本金をいくらにするのかは、事業開始に必要な資金を考慮したうえで決めてください。

とりあえず手持ちの資金や出資者(株主)からの資金を設立時の資本金とし、足りない必要資金は借入で賄うということも考えられるのですが・・・。

どこから借入するのかということも考慮する必要がありますが・・・。

会社の目的。どんな事業をするのかということです。

どんな事業をするのか?

会社の目的とは、会社が営業しようとする事業のことです。

会社の目的は、定款で、原則的には自由に定めることができます。

たとえば、「家庭電気用品の販売」、「家具・什器類の販売」、「光学機械の販売」などです。

あなたがこれから営もうとする事業を抽象的な表現ではなく、できるだけ具体的な表現で考えてください。

特に、許可や認可、届出がなければ違法営業となる目的、つまり事業を行う場合には、その有無や表現の仕方に許可や認可などを出す権限のある役所からクレームが出るときもあります。

よく検討していただかないとだめなケースです。

当面行う予定のない目的も登記したほうがよいのか?

会社の目的も、設立後、必要に応じて追加なり削除なりの変更ができます。

しかし、その登記のために登録免許税などの経費がかかります。

そこで、よく聞かれるものに、その事業をするかしないかはわからないが、登記だけしておきたいと、多くの目的を羅列するように希望される方がいます。

しかし、会社の登記は、誰でもが閲覧したり、履歴事項証明書(登記簿謄抄本)を取得したりできますので、取引先が与信のため履歴事項証明書を取得した場合に受ける印象を考えてみてください。

やっているのか、やっていないのか、わからない目的が羅列されている。

この会社はいったい何をメインにしているのか???

と不信感をもたれるかもしれません。

この点にはくれぐれもご注意いただきたいと思います。

商号・所在地と類似商号

類似商号

2006(平成18)年5月に施行された会社法によって、類似商号の規制が廃止されました。

類似商号の規制とは、「同じ市区町村内に同じ目的を持つ会社がすでに登記されていたときは新たな会社は登記ができない」、というものでした。

なお、2006(平成18)年5月に施行された会社法においても、「同じ所在場所(本店所在地)において同じ商号の登記はできない」、とされています。

たとえば、本店所在地「大阪市北区梅田1丁目1番1号」商号「株式会社A」と両方とも同じであれば、その会社の設立登記ができないということになります。

同じ本店所在地でも「株式会社B」であるならば設立登記ができることになります。

現地調査と類似商号調査簿による調査

設立を希望する本店所在地と商号が決まりましたら、特にテナントビルに本店所在地を設けるときは、仮ということで、そのビル内において、同じ商号の会社がないかを調査して下さい。

現地を調べる方法と、管轄の登記所(法務局、その出張所)に類似商号調査簿という帳簿がありますので、その帳簿から登記されているかどうかを調べることもできます。

事後、裁判で争いになることもあり得る商号のトラブル

同じ所在場所(本店所在地)において同じ商号の会社はない、として設立登記ができました。

しかし、「不正の目的をもって他の会社と誤認される恐れのある商号を使用したことによって」営業上の利益を侵害された、また侵害される恐れがあると考えた他の会社からその侵害の停止や予防を請求されることはありえます。

不正競争防止法などの法律の観点からもトラブルになることも考えられます。

つまり、事後的に裁判所で争いになることさえありえるのです。

この点を付け加えておきます。

初めての人には複雑な手続きとなります

個人事業で起業するときには、ほとんど手続きといわれるものはなかったのですが、会社を設立して起業するとなれば、会社法による複雑な会社組織の考え方や組織設計が必要となってきます。

いままでご紹介しました事項は、主な点やその注意点のみです。

実際に設立手続きをするときには、株主(発起人)の個人の印鑑証明書、役員となる人の住民票など、さらには、資本金の保管となる通帳への振り込みやその証明の仕方、設立のための株主総会や取締役会の議事録の作成など、必要となる書類も複雑多岐にわたります。

また、役所の許可や認可、届出が必要である事業を行うための設立のときは、その許可や認可、届出の書類作成のことも考慮した設立事項の決定も重要となってきます。

司法書士さんや行政書士さんにお任せしよう

お一人ですべてを一から調べて手続きを進めていくこともできるでしょう。

しかし、それは、あなたが行うべきことなのでしょうか?

あなたが行うのは、これから起業してやっていく事業のことを考えることです。

会社の設立については、定款の作成、議事録の作成などは行政書士さんや司法書士さん、登記申請書の作成・代理提出は司法書士さんが専門家です。

とりわけ、設立後に、役所の許可、認可や届出を行うときには、行政書士さんが専門家です。

行政書士さんには、設立の手続きからアドバイスを受けていただきたいものです。

それぞれ相談や手続きの依頼をされれば費用はかかりますが、いろいろなアドバイスや注意点の指摘がされ、あなたが行うより、まちがいが少なく早く完了できます。

専門家を頼りにしていただくことを願っています。

小規模会社・中規模会社の定款のサンプル

小規模会社(非公開会社・取締役3名以内、取締役会非設置・監査役非設置)の定款のサンプルです。参考にしてください。
(HP:日本公証人連合会―定款等記載例より引用)

中規模会社(非公開会社・取締役3名以上、取締役会設置・監査役設置)の定款のサンプルです。参考にしてください。
(HP:日本公証人連合会―定款等記載例より引用)