なんで、行政書士なの?行政書士でなくても弁護士でも、税理士でも、司法書士でもいいやんか?

皆さん覚えていらっしゃいますか?「カバチタレ」というドラマ?

講談社の漫画雑誌『モーニング』に連載された漫画「カバチタレ!」、この漫画をもとにしたテレビドラマ「カバチタレ!」、そして、「特上カバチ!!」です。

行政書士事務所を舞台にして、法律を駆使して社会的弱者を守るという物語でした。

テレビドラマ「カバチタレ」とは

「カバチタレ!」は、深津絵里演じる行政書士と常盤貴子演じるちょっとノー天気な女性をメインにしたドラマです。ちなみに、香里奈がテレビ連続ドラマ初出演のドラマだそうです。所長行政書士は、陣内孝則が演じていました。

「特上カバチ!!」は、櫻井翔演じる見習い行政書士補助者と堀北真希演じるベテラン?行政書士がメインでドラマが展開されました。こちらのドラマの所長行政書士は、中村雅俊が演じていました。

どちらも、格好いい所長行政書士と法律を熟知している若い行政書士が活躍しました。う~ん。うちと違うなーと思ってドラマを見ていました。ちなみに、うちも行政書士です。

法律の裏をかくような、あれだけの民事の法律知識がある行政書士って、若いのにすごいなーって、羨望のまなざしで見ていました。さすがドラマ、すごい、すごい!!

ところで、このドラマ、なぜ行政書士なの?

弁護士が主人公ではだめなの?税理士でも、司法書士でもいいやん。と最初の問いかけに戻ります。

ドラマのお話は、「カバチタレ!」では、民事や刑事のものばかり。行政のものはありません。

不動産の競売、供託、債務不履行、偽装結婚、親権、そして、道路交通法、強制わいせつ罪、正当防衛などのお話です。

「特上カバチ!!」では、「遂に勃発!法テクバトル」をテーマに、借金問題、示談交渉術、非正規雇用、偽造書類の見破り方、脱サラ地獄、貧乏ビジネスなど社会的な問題を扱っていました。

櫻井翔君が、「俺は、法律家だ~」と叫んでいるのが印象的でした。

そうそう。ドラマを思い出してください。このドラマは行政書士が主人公である必然性はないのです。

弁護士さんを主人公にした方がよいのではないか?と私は思っています。

聞くところによると、原作者が行政書士であるとのこと。行政書士を知ってもらえるきっかけになったようです。

そして、このドラマを見た若い諸君がドラマのような行政書士にあこがれて行政書士をめざしているそうです。

私は、何か違和感を感じていました。

本来の行政書士のお仕事は、役所への申請書類の作成と申請(提出)代理なのです。

私などは、日々書類作りに悪戦苦闘しています。

誤った行政書士のイメージが広がったと私は思っています。

依頼者の相手方と交渉し、いわゆる示談や和解などをするのが行政書士のお仕事ではないのです。と私は思っています。

弁護士法第72条に違反する非弁活動

ドラマでの行政書士の活動が弁護士法第72条に違反する非弁活動という指摘がドラマの中でもありました。

「カバチタレ!」の最終回では、小林聡美演じる弁護士が、所長行政書士を弁護士法違反で刑事告発しようとしたようです。

さらには、「特上カバチ!!」。

放送終了後に、大阪弁護士会がこのドラマにおいて「行政書士が法律で定められた業務範囲を明らかに超えた法律相談を行っている」と放送局に抗議したということです。

聞くところによると、「文書作成料名目であれば、実質的には交渉の報酬であっても行政書士が受け取ってよいと誤解を生む内容となっている」、「本人と同席した示談交渉で行政書士が主導的に交渉を行っている」との指摘だそうです。

行政書士になぜ「行政」がつくのかを考えていただきたい。

行政書士を本気にめざす若い諸君が、誤った行政書士のイメージを持たないようにしていただきたいと思っています。

さらに、依頼者側でも、ご相談をされるときには、内容に応じた士業の方に対して行っていただきたいとも思っています。

私は行政書士ですが、ご相談を受けた場合に相談内容からみて、たとえば、この内容であれば弁護士さん、この内容であれば司法書士さんと、適切な士業の方をご紹介をするように心がけています。同席の上でのご紹介もしています。

そろそろ結論を。

常時相談する士業は一人に決める。

行政書士でも、弁護士でも、司法書士でもかまわない。

内容によって適切な士業の紹介を受ける。一人に決めた士業を窓口にすることもOK。ハイ、士業をうまく活用してくださいね。

行政書士 白神英雄

【大阪市東淀川区小松の吉本法務事務所(司法書士・行政書士)のニュースレター「つなぎ」(2012.春号vol.46)に掲載していただいたものを同所のご承諾を得て私のブログに投稿しているものです。少し古いドラマですので、若い方はご存じないかもしれません。内容的には今でも通じるものですので、このブログで再度投稿します。】