これからの解体工事施工に必要な建設業の許可は?

今回は、会社の経理、特に簿記についてのお話をしようかなと思っていたのですが、本業の行政書士の方で、解体工事の業者さんに関するお話を先にしておこうと思います。

このお話は、建設業を行っている会社、これから建設業を行いたいと考えている会社の方にしか関係のないお話です。会社経営全般にかかわることではありません。ご了承ください。

内装の解体工事の実務経験は、

・新しく追加された解体工事業の許可のための実務経験として認められるのか?
・建設リサイクル法による解体工事業の登録のための実務経験として認められるのか?

大阪府の場合ですが、結論としては、内装の解体工事は、解体工事業の許可や登録のための実務経験としては認められない、ということでした。

理由は、解体工事業でいうところの工作物解体工事とは、一軒家の解体工事のことなので、それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。つまり、内装を解体する工事は、内装仕上工事業に該当する、ということのようです。

なお、許可や登録をする権限を持つ地方整備局や都道府県によって異なることもあるようですので、必要があれば、管轄の地方整備局や都道府県の担当課にお問い合わせすることをお薦めします。

許可事務ガイドラインの変化

建設業の許可には、ゼネコンさんの業種として、土木工事業、建築工事業の2業種と、専門的な26業種とがありましたが、平成28年6月1日からは、専門的な業種のとび・土工工事業のなかの工作物の解体を行う工事(工作物解体工事)が独立した業種となりました。専門的な業種が27業種となったのです。

それに伴う国土交通省の建設業許可事務ガイドライン:建設工事の区分の考え方が少し変わりました。

工作物解体工事は、一軒家の解体工事などをいうようです。

内装の解体(撤去)工事や古い配管などの解体(撤去)工事、古い電気配線の解体(撤去)工事などはどうなるのでしょうか?

その回答は、ガイドラインに追加された「それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。」

たとえば、
・信号機のみを解体する工事は電気工事業に該当する、
・電気工事や管工事業などに該当しない機械器具の解体のみを行う場合は、機械器具設置工事業に該当する。
・電気配線部分のみを解体する工事は、電気工事業に該当する。
・鋼構造物のみを解体する工事は、鋼構造物工事業に該当する。
・内装のみを解体する工事は、内装仕上工事業に該当する。
など専門工事で新しいものを作るために古いものを解体するような場合です。

平成28年5月31日までのとび・土工工事業による工作物解体工事についてはこのような考え方があったのかどうか前のガイドラインを見てみましたが、なかったような気がします(?)。

複数(2以上)の専門工事における解体(撤去)で構成される工事はどうなるのか?

たとえば、風呂場の施設の解体ですが、内装の解体と風呂(衛生設備)の解体、つまり、内装仕上工事業と管工事業が組み合わされていますので、「それのみを解体する工事」の反対解釈として理屈の上では、解体工事業になると思うのですが、ガイドラインには明確な文章として記載されていませんので、管轄の地方整備局や都道府県の担当課にお問い合わせいただいた方がよいかと思います。

ガイドラインには、まだ、“考え方”の記載があります。

それは、「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ土木工事業、建築工事業に該当する。」というものです。

たとえば、
・ダムやトンネル、橋梁など土木工作物の解体の工事です。土木のゼネコンさんが解体工事をするような場合です。
・高層ビルの解体工事や古い建物の解体工事と新しい建物の新築工事を一体で請け負う工事、つまり、建築のゼネコンさんが請け負う建物の建て替え工事は、建築工事業とされています。

解体工事といっても、3種類の考え方があります。

ですから、これからは、解体工事といっても、どのようなものを解体するのかにより、必要な建設業の許可業種が異なってきますので、新たに追加された解体工事業のみの許可で対応できるのか、専門工事業の許可の取得が必要なのかどうか?は、個々の建設業者さんの受注(工事)実績から検討する必要が生じてくるものだと思っています。